北緯1度の暮らし

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データサイエンスとヴィパッサナー瞑想の共通点

日本経済新聞の映像シリーズに「NIKKEIマネーの学び(教えて高井さん)」というコーナーがある。日経の経済記者が経済用語をわかりやすく説明するという主旨なのだが、本当にわかりやすくて毎回視聴している。先日、YouTubeライブのダイジェスト版がアップされていたのだが、そこにゲスト出演されていたデータサイエンティストの松本健太郎氏のお話がとても興味深かったので、自分のための忘備録としてまとめておく。

そもそも私は、データサイエンスという言葉の意味も知らなかったし、興味も関心もなかった。ただ毎週このコーナーを視聴しているので、惰性で耳を傾けていただけなのだが、思いがけず松本氏のシンプルな言葉が刺さってしまった。というか、シンプルだったから、驚いた。「データサイエンス」という領域は、今の私にはまだ縁遠い存在だと思っていたにもかかわらず、松本氏の言葉はすべての領域に通ずる普遍的なものだと感じられたのだ。

https://youtu.be/cXdqQUYZugo

〜日経まねび データ時代の経済を読む ダイジェスト版より〜

(印象に惑わされずファクトを見極めるために)身につけるべきスキル

1. 最も必要なのは洞察力

要は気づくことがすべて。そこにあるものを「ある」と認識できるようになることが最も重要。

2. データを「読める」人になろう

データが数字で示されていたとしても、データの読解力は国語力。つまり、数字の背景を読み解く意味解釈の世界。例えば気温20℃といっても、夏場の20℃と冬場の20℃では意味合いが全然違う。データの持つ意味を考えることがものすごく重要。

3. リベラルアーツを学ぼう

究極的には、数学と国語、つまり、読み書き算盤を勉強すること。

<視聴者からの質問1>

データを見るポイントは? →生のデータか加工されたデータかという点にはものすごく注目している。

<視聴者からの質問2>

データを収集する際に気をつけるポイントは? →ひとつの事象に対してひとつのソースに頼らず、幅広くデータを収集する。そのデータが間違っていることもあるし、別の観点から見たデータもあるので、できるだけ多角的にテータを収集している。

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以上が、この動画で私が覚えておきたいと思った内容である。

私が驚いたのは、上記1. 2. 3.のどれもがとてもシンプルで、なにも「データサイエンス」に限った話ではなく、生きていく上で重要という点で普遍的なことなのではないかと感じたからだ。「読み書き算盤」なんてことは、データサイエンスを語る以前に万人にとって最低限身につけるべきスキルではないのか。

「最も必要なのは洞察力」という点では、ヴィパッサナー瞑想と共通していると思い驚いた。

ヴィパッサナー瞑想といえば、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が毎日2時間行っていると公言しているので、私もネットで少し勉強しながら時々トライしているのだが、「物事をあるがままに観察する“気づき“の瞑想」と私は理解している。

ハラリ先生は「たとえあらゆるデータが正確で信頼できるとしても、私たちは『何を重要視すべきか。何が重要かを誰が決めるのか。様々なデータの数値をどう相互に評価するのか』を常に問うべきだ。(日本経済新聞2021年3月4日)」とおっしゃっている。これって松本氏が言ってることとと同じではないのか。

データサイエンスとヴィパッサナー瞑想に共通点を見いだしたことを、ここに記しておきたい。

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ある日の夕焼け