イトウ エルマ / Elma Ito
日経ビジネスオンラインに載っていた、イトウエルマさんのマンガがとてもおもしろかった。
「仕事で疲れたり、めげたり、詰まったり、凹んだとき、あなたはどうやって元気回復を図りますか?」をテーマに市井のビジネスパーソンにインタビューし、その様子をマンガ仕立てで再現する。答えは「場所」に的を絞り「苦しい時に復活の呪文を唱えるためのサードプレイス」をそれぞれに語ってもらう。「サードプレイス」とは、家でも職場でもない、その名のとおり第三の場所のこと。
ストーリー展開が単なる「気分転換法」の紹介で終わらない。様々な職業の人が登場し「どんな仕事をしていて、どういうことにストレスを感じて、そのストレスを解消するための場所」を説明する筋立てがちゃんとあり、おもしろおかしくも奥深く読み応えがある。
このテーマではこれまで3回にわたって3人をインタビューしているが、みなさんに共通点がある。
〇 職場では人当たりがいいが、つるんだり群れたりせずに基本的に一人行動。サードプレイスにも一人で行くが、そこでの人間観察や他人との微妙な関わりに癒されている。
〇 サードプレイスが「飲食店」であっても、味を追求する「食べ歩き」とは違う。料理の方向性や店の主張に共感できるお店であることがサードプレイスの条件。
〇 自分がストレスと感じるものを具体的に自覚し、がまんするのではなく意識的にストレスの原因を避けるよう心がけてている。
なぜかこれを読んで気づいたことは「嫌な上司や手のつけられない部下はどの職場にもいる。誰にでもストレスはある。」ということだった。そんな当たり前のことが、今までわかっていなかったことに気づいて愕然とした。普段の日常では自分の不満ばかりが募ってしまい「なんで私っていつもこうなんだろう」と思っていた。そうじゃない。世の中の人は、たいてい理不尽の波に流されながら生きているのだ。目から鱗が落ちた思いがした。