北緯1度の暮らし

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シンガポールにやってきたスウェーデン人 / Magnus Böcker

Business Times のトップにマグナス・ボッカー氏の顔写真が載っていたので、あれ珍しいな、と思いつつ記事本文に目をやった瞬間、はっとしました。

2017年7月26日、癌で亡くなったとのことでした。

まだ55歳という若さに加え、フルマラソンを走るスポーツマンというイメージもあったので、本当に驚きました。

スウェーデン生まれのボッカー氏は OMXで頭角を現し、若くして証券取引所業界で国際的に活躍してきました。シンガポールに来る前まではNASDAQ の President でしたが、8年前の2009年、シンガポール取引所(SGX) のCEOに就任するため一家でシンガポールに移り住みました。

2015年にSGXを退任しましたが、ボッカー氏はその後もシンガポールに住み続けていました。

北欧生まれのボッカー氏は、一年中太陽がさんさんと降り注ぐシンガポールが気に入ったのだと思います。

大胆なアイデアを次々実行に移す聡明なビジネスマンでしたが、SGX時代に手がけたプロジェクトの多くは不発に終わり、シンガポールでの評価は芳しいものではありません。

死亡を伝える地元紙の記事にも「シンガポールの発展に貢献した」とは決して書かれておらず、むしろ業績についてはネガティブな言い回しがなされています。

まさに三顧の礼でシンガポールに迎えられたに違いありません。しかし、結果を出さなければどんな言い訳も通用しません。

シンガポールに来たことに、後悔はなかったと思います。

しかしそのストレスも、想像を絶するものだったと思います。

心からご冥福をお祈り申し上げます。